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アスベストは目視で分かる?お役立ちコラム

アスベストは目視で分かる?

2022.04.08 (Fri) 更新

コラム:アスベストは目視で分かる?

こんにちは!
アスベスト建物改修総研です。

今回は「アスベストとは?目視で分かる?」についてです。
アスベストとはいったい何なのか、また私たちにどのように関係するのかについてお伝え致します。

①アスベストとは

アスベストは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。
その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が 吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。

 

その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。
石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られています。

 

 

 

②アスベストの特長について

アスベストはワタ状で梁などから垂れ下がっており、毛羽立っている特徴があり、時間が経過し劣化すると表面がワタ状になって柔らかくなります。
吹き付けたアスベストはこてで押さえつけられていると絨毯のように見えるので非常に見分けが付きにくいです。
色は大きく分けて青色、灰色、白色、茶色に分かれますが、素人が目視でアスベストを判断するのは非常に難しく、プロによる調査が基本になります。
さらにアスベストの上から安全な建材をさらに吹き付けているケースもあるため、アスベストを使用しているかどうかを正確に知るためには、建築業者などプロに診断してもらった方が確実です。
現在では製造、使用が禁止されているアスベストですが、私たちはアスベストによってどのような影響を受けるのでしょうか。

③アスベストの健康被害について

アスベストの繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があるとWHOによって報告されています。
アスベストによる健康被害はアスベストを吸い込むとすぐに体に影響が出るというものではありません。アスベストを長年にわたり吸い込み続けてから発症します。
中皮腫という健康被害は平均35年前後という長い潜伏期間を経て発症することが多いとされていますが、最近では平均50年前後とも言われています。(出典:石綿作業主任者テキスト令和4年1月第5版発行)
※年数関連の出展は、石綿作業主任者テキスト令和4年1月第5版発行になります。

アスベストは長年にわたり吸い込み続けることで健康被害を引き起こします。
アスベストによる症状には潜伏期間が長いものもあり、放置しておくと知らず知らずのうちにアスベストによって健康を脅かされていくことになるのです。
アスベストによる代表的な症状は下記の3つです。

 

アスベスト肺 

この病気は肺が線維化してしまう病気で、石綿肺ともいわれます。石綿肺は、石綿を大量に吸入することにより、肺が線維化する「じん肺」という病気の一つです。
ばく露開始から30年〜40年以上の後に発症すると言われていますが、高濃度ばく露の場合は、10年未満のばく露期間であっても発症します。
この病気により、肺の線維化が徐々に進行し、酸素-炭酸ガスの交換を行う機能が損なわれるため、呼吸困難が生じます。
初期症状は、軽い息切れと運動能力の低下とされています。 症状が進むと呼吸が困難になりアスベスト肺の患者の約5人に1人は重度の呼吸不全を起こし通常の生活が送りにくくなるといわれています。

 

肺がん

アスベストを吸い込み続けると肺がんの発症可能性が高まります。
肺がん発生の最大の要因は喫煙ですが、石綿と喫煙の両方のばく露を受けると、
肺がんの危険性は相加〜相乗的に高くなることが知られています。
喫煙しない人の肺がんの危険性を1とすると、喫煙者は10倍、石綿ばく露者は5倍、
喫煙をする石綿ばく露者は約50倍とする報告が有名です。
(独立行政法人環境再生保全機構 ERCA Environmental Restoration and Conservation Agency)
潜伏期間は20年から50年あるとされ、恒常的にアスベストを吸い込み続けた人ほど発症の確率が高まるとされています。

 

中皮腫

肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。若い時期にアスベストを吸い込んだ方の ほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は、2000年ごろまでは20~40年といわれていましたが、最近では平均50年前後といわれています。
アスベストは目視で確認するのはかなり難しく、健康被害も阻害するため、プロによる調査が 重要になることが、お分かりいただけましたでしょうか。
以上が今回お伝えしたかったアスベストの特長についてでした。
住宅や工場の塗装工事でもアスベストの取り扱いが変わっているので、注意をしていただければと思います。
そこでアスベスト建物改修総研では、スレートの屋根材や外壁材で使われている、アスベストの内容をより詳しく解説させていただく特別なセミナーをご用意いたしました。

 

 

 

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